NANGA MOVEMENT

自然に身を置く喜びを、製品を通して共有したい
NANGAが行う循環するモノづくり

環境負荷を抑え、むしろ自然に還元する製品を作ることは、自然をフィールドとするNANGAにとって当然の責務。その点、資源を大切にして再利用を行うことは、初歩的かつ非常に重アクションであると信じています。古くなったダウン製品から新たNANGAのダウン製品を生み出す「RE:ACT」、限られた資源を未来に託す「RECYCLE」、そして製品をより長く愛用していただくための「AFTER CARE」。私たちが率先してアクションを起こすことで「モノを大切に使い続けるのがあたり前」という認識が広がるよう、NANGAは挑戦を続けています。

NANGA TOPICS 01 Re: ACT
Re: ACT

ダウンに愛着を生み出し、未来を与える
NANGA独自のアップサイクルプロジェクト

 水鳥の羽毛であるダウンは、適切な手入れをすれば100年以上も使用できる優れた素材ですが、残念ながらその事実はあまり知られていません。NANGAはダウン製品のリーディングカンパニーとして、「ダウンを単なる消費品として扱うのではなく、長年大切に使い続けていただきたい」という思いから、羽毛布団のアップサイクルサービスをはじめました。「RE:ACT」と名付けられたこのプロジェクトは、日本の伝統的な布団の再利用文化である「打ち直し」を参考にしたもので、2022年から本格始動。使い古したお手持ちの羽毛布団をお預かりし、ダウンを洗浄、そして新しくNANGAの布団に仕立て直してお返しするというサービスを開始しました。

 NANGAでは「GOOD SLEEPING」という寝具シリーズを展開していますが、その買い替えのために既存の布団が捨てられることを望んでいません。ある統計では、日本人1人あたり1.8人分の布団を持っているそうですが、環境のことを考えるなら、むしろ既存の布団を再利用を積極的に行なっていただくべきでしょう。そのためにも「Re:ACT」をいう選択肢を世の中に提供することは、ブランドや社会にとって意義深い活動であると信じております。

 2023年には、布団に作り替えるだけにはとどまらず、ユーザーのみなさまからのご協力を得て、布団からスリーピングバッグ、布団からダウンジャケットなど、お手持ちの羽毛布団を他のNANGA製品に仕立て直すプロセスを確立することができました。「RE: ACT」がよりユーザーに喜ばれ、メリットのあるサービスに発展することで、リユースの意識が変わることに繋がる。私たちはそう信じています。

NANGA TOPICS 02 Re: CYCLE DOWN
Re: CYCLE DOWN

環境にやさしい、自然由来のリサイクル素材
「Re:CYCLE DOWN」と「フェレーヤーン」

 技術を要するため実例は少ないものの、NANGAは環境負荷を抑えた製品づくりを実現する手段として、積極的に天然繊維の再生素材を採用しています。その代表的な素材の一つがリサイクルダウンです。 

 ご存知の通りダウンは軽くて暖かく、化学繊維では決して真似できない機能性を発揮してくれる天然素材。ですが、実は水鳥1羽あたりからは約10g〜20g程度しか採取できず、ダウンジャケットであれば少なくとも数羽分、寝袋ともなると数十羽分のダウンが使われています。もちろん食肉を得る際の副産物としてそれらの羽毛がもたらされていますが、素材の安定供給や環境保全の観点からも、ダウンを再利用するメリットは大きいでしょう。

 そこで私たちは「ダウンは資源」という認識を広めるため、ダウン製品を回収し、国内工場で再洗浄・再精製加工をして生まれ変わった、「RE:CYCLE DOWN」をベーシックグレードの製品に採用。最近では、防災用品としての寝袋の有用性も再評価されており、過去にクラウドファンディングで企画した寝袋とエアマットがセットになった製品を、「RE:CYCLE DOWN」を活用して量産。平地キャンプや屋内キャンプで使えるモデルを、リーズナブルな価格で展開するという計画も進行しています。

 また、天然素材だからと見落とされがちですが、コットン生産が与える環境負荷は大きく、栽培には広大な畑や大量の水、肥料が必要です。この問題に向き合うため、NANGAのアパレル製品のコットン糸を「フェレーヤーン」という再生コットン素材に置き換えています。これは、通常では捨てられてしまう裁断端や廃棄衣料を独自の製法で裁断し、再度紡績したものです。この紡績工場では太陽光発電による電力供給も行われており、生産にかかる環境コストを大幅に抑えています。

NANGA TOPICS 03 AFTER CARE
AFTER CARE

リサイクルの前にあるべき
「修理して使い続ける」という考え方

 NANGAの製品は、過酷なアウトドア環境下での使用や、日常的に繰り返し愛用されるのを想定し、開発段階からできる限り丈夫かつ長期間の使用に耐えうる製品設計を取り入れています。しかし、長年使用していれば性能も下がり、時にはどこかが破損しまうものです。そんな時に、「修理して使い続ける」という行動をとっていただけるよう、NANGAではユーザーの皆さまが安心して利用できるアフターケアサービスを充実させています。

 個々に行えるサスティナブルアクションは数あれど、私たちメーカーだけが行えるのは、「長くご愛用いただける製品を作り、そして修理を行うこと」。創業時から続くダウン製品の永久保証は、私たちのアイデンティティでありプライドでもあります。

 一部、使用素材などの理由で元通りの修理が行えない場合もありますが、NANGAのダウン製品はすべてアフターケアの対象。お預かりした品物はダウン製品を生産している国内の自社工場で直接修理対応いたします。ファスナーの交換や生地破損の補修などが代表的な修理の例ですが、スリーピングバッグの場合は基本的には無償で、ダウンジャケットの場合は有償で対応です。また、サービスオプションとしてダウンクリーニングも行っており、使用を重ねて封入されているダウンがへたってきた場合でも、ダウン洗浄をしてロフトを復活させることで、より長く製品をご愛用いただけます。

 また24FWからは、ご自宅でも気軽にダウン製品のお手入れができるようにと、地球環境に配慮した英国のケア用品メーカー「STORM」とタッグを組みました。透湿防水素材やダウンウエアを洗浄し、素材本来の機能を取り戻すメンテナンス用品をリリースしたことで、より多くの方にアフターケアの重要性を発信できることを嬉しく思います。