URBAN CAMP

with CAR CUTY GUIDE

いまやキャンプやアウトドアといった外遊びのスタイルは数知れず。
“クルマもギアである”そんな視点で、ドライブへ出かけた。

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都心を背にハイウェイを走る小さな赤いクルマ。彼らの目的の地がキャンプ場であることはすこし想像し難い。大の大人が体を丸めて乗り込んだ車内は、それだけでどこか楽しげに映るもの。限られたトランクのスペースには、選り抜きアイテムが載せられ、郊外のフィールドへとクルマを走らせた。

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クルマで遊ぶ街の暮らしを提案する『Car City  Guide(以降、CCG)』のメンバーである中村真さん、佐々木穂高さん、中川拓海さんと、2024年に用賀にオープンしたインテリアや日用雑貨が並ぶセレクトショップ『HIIKI』の店主で、〈アウトビアンキ〉のオーナーでもある美菜海さん。この『HIIKI』は、CCGメンバーの拠点でもあるお店だが、彼らの暮らしの中心にあるのは、いつだってクルマだ。

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この日、テントに寝袋、タープに焚き火台といった不慣れな道具を詰め込んで、クルマがあるからできることの一つとして、都内のとあるデイキャンプ場を目指すことに。「車内にはいつも、お気に入りのレジャーシートを載せている」と話す美菜海さんは、弾き語りが趣味。歌の練習のために川辺にもよく行くそうで、「いつものギターにプラスしてお湯を沸かせるバーナーなんかを持っていけば心持ちもまた違うかもしれない」と嬉しそうに話す。「ビアンキの横にタープも張って、そこでカップラーメンも食べてみたい」と道中そんなアイデアがたくさん溢れてきた。

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「もし桜の時期だったら、パーキングメーターにクルマを停めて、トランク開けてそこに座ればその瞬間からよりいい時間が過ごせる」。そう話す拓海さんは、「携帯性のあるブランケットやコップを載せておいて、川で石を拾って何かを作ったり、トランクに座って絵を描いたり」と”やりたいことリスト”にそんなプランが入っているという。今後は、CCGメンバーとクラシックカーオーナー達とでキャンプをする交流会も企画しているそうだ。

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「まだまだキャンブ道具やギアへの知識がないので、キャンプが得意な人についていくことが多いんですけど、たためる椅子は唯一載せていて。なんとなく深層心理が働いて、もし出先で楽しいことが起きたらちょっと座れたらいいなっていう感じ」。そう話す佐々木さんは、行楽シーズンの中、夏がきたら水には触れたい派で、「椅子ごと川に入る」のがお気に入りだ。メンバーの中でもいちばんのキャンプ経験者である中村さんは、小学校の間、毎年家族で“ガチキャンプ”に行っていたというが、「無意識にアウトドアやキャンプにストイックなイメージがついていて、いまは近場の公園で日陰の下で寝るだけで全然いい」と等身大で自然に身を置くことに満足していると話してくれた。

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キャンプの定義ってなんだろう

「キャンプの定義ってなんだろう」とみんなで考えを巡らせながら美菜海さんがそっと、「外で寝ることを思うと、行こうって言い出す人がいなそうだね、このメンバー。笑」と、みなで談笑が広がる。

「都会のキャンプってピクニックなのかも」という拓海さんの言葉から、「キャンプがしたくてっていう車選びと、クルマが乗りたくてっていう車選びだと、選ぶクルマはもちろん変わる。メインストリームじゃないクルマの使い方にフォーカスをあてたのがCCGだから、まずはクルマがあって、自分のクルマに詰めるもので、いまをどう楽しむかなのかな」と佐々木さんが語ってくれた。「CCGが考えるシティの良さは、なんでも揃っていて利便性が高いこと。料理もそうだけど自分で作らなくてもすでにあるものを最大限に活用できたらいいと思っているから、そのスタイルから無理に飛び出そうとせず、街中のパーキングメーターをホップすればいろんなところへ行けるし、椅子やシートを持って美味しいものを調達して、辿りつく先はちょっとした公園で。それだけでも非日常感だったりするんだろうね」と、そんなたわいもない会話から「CCGが考える都会のキャンプ」については、どことなく定義することができたようだ。

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Car City Guide

街に住む人へクルマがある暮らしを提案する『クルマの普段使いガイド』として美大生出身のデザイナー3人が立ち上げたカーメディア。既存のカーメディアにはない、クルマのマッチングサービスやカスタマイズ相談、グッズ販売、イベントなどを行っている。とにかくクルマ好きが集まり、企画や制作など20代ならではな視点で暮らしの提案をしている。

IG:@car_city_guide

Photography: Misaki Tsuge

Text: Mariko Ono