
MY JACKET vol.3
極地で撮り続けるための一着
自然の厳しさの中で、なぜシャッターを切り続けるのか。
世界各地の山岳地帯を巡り、極地の自然を撮影するカメラマン・海野友昭。
彼が向き合ってきた自然は、ただ美しいだけのものではない。
天候は瞬時に姿を変え、人の力は容易に及ばなくなる。
それでもなお「残すべき景色」を追い続けている。
そこにあるのは、自然への深い敬意と覚悟だ。
The Day I Understood Nature Sustains Me
自然に“生かされている”と知った日
彼には自然との向き合い方が大きく変わった出来事がある。
福島・尾瀬での撮影中、コロナ禍で山小屋が閉まり、やむなく想定外のルートを選んだ。その先で水が尽き、遭難しかけた。川の水を口にしながら生き延びた時、「自分は自然に生かされている」と強く実感したという。
そして、自然は単なる“撮る対象”ではなく、覚悟を持って向き合う存在へと変わった。

To a view you've never seen before
見たことのない景色へ
幼い頃から旅の多い家庭で育ち、知らない土地の風景に触れる機会が多く、 自然とカメラに触れる時間が増えていった。
写真を撮り続ける理由は、シンプルだ。「見たことのない景色を見たい。そして、それを残したい」。山は、訪れるたびに違う表情を見せる。朝日の色、雲の位置、風の温度。すべてが一度きりだ。その「今しかない自然」を記録したいという思いが、彼をより高く、より遠くへと導いてきた。
標高が上がるにつれて、撮影できる人は確実に減っていく。しかし、氷河の後退や急激な環境変化など、残すべき自然は、人が足を運ばない場所にこそ存在している。「誰も行かないから行きたい。残すべき景色が、そこにあるから」その言葉どおり、厳しい自然の中へと足を踏み入れていく。


Standards for dealing with tools
道具と向き合う基準
極地では、装備の選択が行動や安全に直結する。1ヶ月に及ぶ遠征では、衣食住のすべてを背負って移動するため、わずかな重さや使い勝手の差が負担につながる。
彼が道具に求めるのは「実用性」「軽さ」「耐久性」。ポケットの位置やジッパーの動きといった細部まで、その基準で選んでいる。装備が行動を妨げず、確実に役立つかどうかが、重要な判断材料になる。
「シンプルかつ実用的で、耐久性が高い事が一番」この考え方は、極地だけでなく日常でも変わらない。長く使えて、自分の動きを確実に支えてくれること。それが、選ぶ理由だ。

A trusted choice
信頼で選ぶ一着
ダウンに袖を通したときに感じるのは、「この一着で大丈夫」という確信と安心感。温かさに対して驚くほど軽く、手首からの冷気の侵入を防ぐ仕様や、雪を避けながら換気できるベンチレーション、背中の潰れを抑えるボックスキルトなど、行動中の負担を減らすための工夫が細部まで施されている。過酷な環境下で使う道具には、長期間の遠征で何度も使い、時に修理をしながら使い続けられる「実用性」「軽さ」「耐久性」が求められる。その視点は、自然と向き合う人が大切にしている価値観でもある。
ナンガのものづくりもまた、必要な性能を軸にしながら、長く使い続けられるよう細部を見直してきた歴史がある。AURORA TEX LIGHT DOWN JACKET MIKAMIは、その思想を反映したモデルとして、過酷な状況でも日常でも確かな機能を発揮する。
長く使えること、そして、使うほど信頼が増していくこと。それは装備として欠かせない条件であり、このジャケットが選ばれる理由でもある。


Profile
海野 友昭 / Tomoaki Umino
高所山岳・極地カメラマン
ヒマラヤやアラスカなどの極限環境を舞台に、写真・映像・ドローン空撮によって「人の営みを超えた自然」 を記録する高所山岳・極地撮影専門カメラマン。
20代でヒマラヤに通い始め、標高5,000〜8,000m帯という人類の生活圏を超えた環境で、撮影・行動・判断のすべてを一人で行うスタイル を確立。
低酸素、極寒、強風といった過酷な条件下においても、表現と安全性を両立する独自の撮影手法を磨いてきた。
8,000m峰での撮影遠征を重ね、世界でも稀な「高所登山 × ドローン × 映像表現」 を専門分野とする。
溶けゆく氷河、氷河湖決壊、そして山岳地域に生きる人々の暮らしに触れた経験から、「今この瞬間の地球の姿を、次世代に残すこと」 を自身の使命と位置づけ、記録と発信を続けている。
現在は、世界の8,000m峰14座の記録と撮影に挑む長期プロジェクトを進行中。
写真・映像作品の制作に加え、展示活動も行っている。