“携わるアーティストや自分本位”でモノを創りたい。
“純粋に創りたいモノを創る”っていうのがルール
Q ブランド自体もそうですけど、毎回リリースされる作品に架空のストーリーを描かれていますよね。とてもリアリティがあり、ユーモアに溢れていて。あのような物語のインスピレーションはどのようにして浮かんでくるのですか?
渡辺 何なんでしょうね、別に特別なことをしているとは思ってないですよ。ただ、小さい頃から、空想したり面倒なことを考えるのが好きだったことは確かですね。自分がレスラーだったら、このテーマ曲で登場したいな、とか。あと読書好きっていうのも影響しているかも。あんないい加減なテキスト書いている俺が言うのもなんなんだけど(笑)。言葉で表現するっていうのは読書したり文章に触れたり、結構下地が必要かもしれないですが、空想したりっていうのは、そんなに難しくない気がするなぁ。
けど、今回のNANGAさんとのコラボもそうですけど、知ってる人やブランドだったら全然ストーリーが浮かぶんですけど、全く知らない人だと、サッパリ浮かんでこない。何も知らないんだから当然なんだけど。
単純な話、友達知人だったら何かしら着想はあるけど、全く面識のない人から、突然「アートワークだけじゃなくストーリーも込みで何か出来ませんか?」ってオファーが来ても何も出来ないんですよ。「え、待ってよ、どなたですか?」ってなっちゃう。
Q その部分が協業する上でのルールになるのでしょうか?
渡辺 そこはあるでしょうね。あとは“面白い”か、とか“有意義”か、とか。それが1番大きいかな。以前レコード会社で仕事をしているときは“僕個人としていい”と思ったものじゃなくて、“プロジェクト全体の中でベストなモノ”を作る仕事でした。それって仕事としては当然だし凄く勉強になった。でも、今は自分でリスクを背負ってタコマフジをやっている。だったら“携わるアーティストや自分本位”でモノを創りたい。“純粋に作りたいモノを創る”っていうのがルールですね。
Q 最後に今年はNANGA30周年でもありますし、“TACOMA FUJI RECORDS”も15年という節目を迎えるわけですが、今後の展望などあれば教えてください。
渡辺 んー。。。まぁ健康で素敵なモノを創っていければ、あんまり深く考えてないですね。結局のところ、“これ素敵だな!”って感動できるTシャツを創りたいです、それが1番ですね。
(*注1)
『nap produced by NANGA』。NANGA初となる寝袋専門のコンセプトショップとして2016年にオープン。2022年のフラッグショップ『NANGA SHOP HARAJUKU』のオープンに伴い2021年にクローズ。